事業承継におけるバトンタッチ
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陸上のリレー競技において
バトンタッチする時って、
後ろからバトンを渡そうと走ってくる人と
前でバトンを受け取ろうとしている人は
一定の距離を
一緒に走りますよね。
その際、
前の人は加速しながら
後ろの人は若干減速しながら…
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理想的な事業承継って
バトンタッチのようなもの
だと思っています。
経営者と後継者は同じ方向を向き、
同じ目的に向かって
並走して走る期間があると嬉しい!
なぜならその間に
経営者は「託す」ための行動を取りながら
引退に向けての心の準備が出来るし、
後継者は学び・成長し
経営者然となっていけるから。
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ある会社にて
創業社長と後継者が一緒に働いていました。
役職は、社長と専務です。
お二人は、何かといえば対立しています。
その会社の規模は大きく、
従業員さんは200名ほど。
多くの従業員さんは
「社長派」と「後継者派」に分かれていました。
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同じ会社なのに
社長派と後継者派が
一定の距離を詰めずに
走っているイメージ。
バトンを受け渡す気配は皆無です。
ランナーはお互いけん制し合っており
ほとんどコミュニケーションを取りません。
これじゃ~、いつまで経っても
バトンタッチは出来ないじゃん!!
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他方で
社長派にも後継者派にも属さない人もいます。
そのどちらにも属さない方が
「社長からの指示と後継者からの指示が
毎回違うので困っています。
けれど入社して3年経つのでもう慣れました。
(どちらにもいい顔をして)適当にやってます」
というニュアンスのことをおっしゃってました。
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要領が良いというか、醒めているというか、
イマドキというか…
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この会社の親子の確執は相当根深く
そのせいで社内が混乱している様子が
従業員さんのコメントからわかります。
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この長年の良くない状態を解決するには
リーダーである社長と後継者が
腹を割って話し合うしかないと思います。
それは誰にでもわかります。
しかしご本人たちにしてみれば
「この心理状態でどうやって相手と
腹を割って話し合えば良いんだよ~(怒)」
という感じだと思います。
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詳しく書くと大変なので
ざっくりとしか書きませんが
それなりの準備をして
ホワイトボードなどを用い
互いの意見を見える化出来る
静かな場所で
「家族・親族であるがゆえのどうしても
抑えきれない感情のこと」
と
「未来へと続けていく事業のこと」
が分る第三者が入って
お互いの言い分を整理するなどしないと
なかなか前向きな話し合いにはなりづらい
のだろうと思います。
P.S.
このような会社って
日本全国にイッパイあるのでしょうね。
せっかく生き残っていける会社であっても
「家族・親族であるがゆえのどうしても
抑えきれない感情のこと」
と
「未来に続けていく事業のこと」
が分る第三者がいないという理由で
廃業を余儀なくされたりするんだろうな~
そのことが、巡り巡って
雇用の場を喪失し
(中略)
少子化が進み
人口減となり…
ってなりそうです。

