人前で話すなんてもってのほか、だったのに…
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「役職が人を育てる」
という言葉があります。
その意味は
"役職に就くことで、
その役に見合った行動や人間に育つこと"
だそうです。
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僕が大学を卒業して
就職した総合スーパー
でのこと。
そこでは
全体朝礼で
接客五大用語というものを
唱和していました。
それは
「いらっしゃいませ」
「かしこまりました」
「少々お待ちくださいませ」
「大変お待たせしました」
「ありがとうございました」
という言葉を
前に立つ一人が
みんなに向けて発声し、
その後にみんなが一斉に唱和する
というやり方をしていました。
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僕は
目立つことが大嫌いで
人前に出て喋るなんて
もってのほか
と思って
それまで生きてきました。
そ、そ、それなのに…
ある時の朝礼で
店長が
「では、シブカワ前に出て。
接客5大用語を唱和して」
と言いました。
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とっさに
「嫌です」
と言おうと思いましたが、
そんなこと口が裂けても
言えない雰囲気。
モジモジ&ビクビク
しながら前に出て
震える声で
接客五大用語を唱えました。
覚えていませんが
きっと手も震えていたことでしょう。
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恐らく
聞いていた皆さんは
「何をびくついているんだ
シブカワは…バカじゃないのか…」
と感じていたのではないか
と思います。
まさに
穴があったら入りたい!
って心境。
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当時は死にたい程の思い
だったのを覚えています。
たまに
その頃のことを思い出すのですが、
苦い感情はなかなか消えませんね。
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今でも
人前で話すのは嫌いですが、
役割を与えられ
100名を超える人の前で話す時でも
昔ほどは緊張を覚えなくなりました。
人前で喋ることに
慣れたのでしょうか。
(残念ながら
人前で喋る技術(話術?)が上がった
訳ではありませんが…)
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同様のことに「財務」もあります。
僕は中小企業診断士の試験で
「財務」という科目が
超・超・超苦手でした。
学生の頃から「数学が苦手」
という意識が強かったからかも
知れません。
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「財務」と聞くと
体が固まりました。
中小企業診断士資格の勉強中、
財務の問題を電卓を用いて解くのですが
いつも緊張のあまり
電卓のキーを叩き間違えるのです。
指が震えて二つのキー同時に叩く
なんてことも頻繁にありました。
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しかし、今は
仕事として決算書に
向き合うのですが、
苦手意識は余りないです。
逆に、
財務は好きかも
なんて調子に乗って
思う時もあります。
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結局、苦手意識ってものは、
当人がそのように思い込み
勝手に強化させている
だけでないか。
結局は
【慣れ】の問題ではないか…
と感じる時もあります。
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役職(役割)が
与えられさえすれば
抵抗を覚えながらでも
役割にそぐう言動をとろうと
思うものかも知れません。
そのような経験を
何度も何度も繰り返すと
次第に慣れてきて、
苦手意識が
なくなっていくものかも…
P.S.
現経営者様へ
後継者候補が何かに囚われている
と動きが鈍くなります。
しかるべき役割を与え
出来るだけ自由に
新しいことにチャレンジできるように
してあげてください。