多弁な経営者と無口な後継者
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本日の駄文は
「多弁な年配者に対する文句」
のように受け止められるかも
知れません。
僕の意はそうではなくて
現状うまく行かないことがあり
停滞しているとしたら
多弁な人は少ししゃべるのを辞めて
喋らない人の意見を聞く。
そのことにより
突破口が開けるのではないでしょうか
という提言です。
また
現実問題として
多弁な年長者に対し
辟易している優秀な若手も多い
ことも知って頂ければ
なお幸いに思います。
それでは続けます。
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以前僕は
「まちづくり」とか「地域活性化」
のお仕事をさせて頂いてました。
内容としては
その地域にお邪魔し
商業者、地域住民、行政の方々の
前でお話をさせて頂き、
その後、皆さまと議論を
重ねます。
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議論のフェーズで
よくしゃべるのは高齢者ばかり。
(たまにおしゃべり好きの
若手もいますが…)
高齢者は
本当によくしゃべられます。
それも
地域の普通の住民というより
経営者が多いのです。
どちらかというと
男性の方が多いかな…
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大変申し上げにくいのですが
正直に言うと、
よくお喋りになる方が
喋り出すと
僕は、心の中で、
「またかよ〜、勘弁してよ~」
とうんざりしてました。
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高齢経営者が喋り出すと
若手は
黙り込むか、
スマホを見始めるか、
他のことを考え始めるか…
つまり
心ここにあらず
となります。
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議論が終わると
言うだけ言ってスッキリしたのか、
高齢経営者は足早に帰られます。
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僕は残って
モヤモヤした気持ちの若手と
会場の後片付けを始めます。
モヤモヤしているのは
彼らの顔を見ると
分かります。
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後片付けが終わると
若手経営者・後継者等と
居酒屋に飲みに行きます。
居酒屋での若手は
ビール片手に
しっかりとご自身の意見を
のびのび口にされます。
ということで
若手はしっかりしたご意見を
持っていることが分かります。
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なお居酒屋では
・高齢者に何を言っても無駄
・発言する時間を
(高齢者ばかりが喋るため)
奪われる
・若手が考えている間に
高齢者がべらべらと喋りはじめる。
それで思考が中断される
それらが
次々に明らかにされます。
(いつものことではあるのですが…)
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事業承継サポートの現場でも
上記のようなことは頻度高くあります。
多弁な経営者がしゃべり始めると
後継者およびその他は黙り込む。
しかし、この場合も、
後継者が無口でないことは
わかっています。
経営者がいない場面では
自分の考えをおっしゃるので…
ですが、
気持ちよくおしゃべりになる
高齢経営者はそのことが
いつまで経っても
わからないようです。
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僕が父が経営する企業群に
関わり
経営会議をしていた時のこと、
父は多弁なタイプでないので
ほとんどしゃべりません。
その代わりに(?)
他の経営幹部がお喋りに
なってました。
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父は経営会議が終わった後や
家に帰った時、
「○○がしゃべってばかりで
話があっちこっちに行く。
話題が次々に飛ぶから
何を話していたかがわからなくなる。
そして結局話し合いの時間がなくなる」
とぼやいていました。
(僕は、その言葉を聞いて
父はなかなかに…
場を冷静に観察していたな〜
核心を突くことをいうな~
と感心したことを覚えています)
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多弁な人には
・自分がしゃべることにより
他人の時間を奪っている
・少しでも間が出来たら
ご自身が喋りはじめる。
そのことにより
相手の考えることを妨げている
・しゃべることに乗っているので
余計にしゃべる傾向に
拍車がかかってしまう
・議論を拡散させてしまう
ことをわかって欲しいのです。
そのことは切に切に思います。
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後継者を育てようと思うなら
・後継者を観察し、
後継者が今何を考えているか推測し、
後継者の発言を促す
・後継者が考えている風だと
何もしゃべらず何分でも待つ
・後継者の話しを聞かずして
自分のしゃべることばかりを
考えない
・質問をして後継者が答えた後、
自分が持っている違う答えを
口にしない。
それより後継者がなぜそのような
答えを出したか、
その背景について深掘質問をする
・オープンクエッションや
クローズドクエッション
それに
具体的質問と抽象的質問といったように
多様な問いかけを駆使し、
後継者の本音を聞き出す。
また顕在化されていない意識を
顕在化させる工夫をする
などに気を配ってもらえると
嬉しいです。
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日本の人口は逆ピラミッドです。
ただでさえ人数が多い高齢者
その上発言する機会も多い経営者
本当に申し上げにくいですが
後継者など若手は辟易していますよ。
後継者など若手をつぶすことは
やめて欲しいのです。
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また
ご自身がしゃべらない方が
実は勉強になるものです。
・後継者などを観察することにより
思考訓練となります
・今の考え方・トレンドについて
知る機会になります
・しゃべってばかりではなく
人の意見を聞く姿勢を保つようになると
皆さんが話しかけてくれるようになり
結果としてご自身の承認欲求が高まります
・自問自答(セルフコーチング)の
訓練になります
などの利点がありますよ。
P.S.
「喋らなかった後継者が経営者となり
時間が経つと多弁になるのか?」
という問い。
う~ん…
僕にはいくつかの
「なぜ今の高齢経営者は多弁なのか」
について仮説を持っています。
今後、10年くらいで
検証ができると思います。
皆さんはどうお考えでしょうか?
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そもそもの
「高齢経営者は多弁」
という前提が
間違っている可能性も
ありますけどね。
多弁は
人によるのも知れませんね。
けど…
どうなんでしょうね…