昔が輝きすぎて、その輝きが今でも増している件


以下、現実のような

創作のような話


僕が商店街振興組合の事務所に
入ってみると、

部屋の壁のど真ん中に

昭和40年代の商店街の写真が
ド・ド・ドーン!と飾ってありました。

大きさは、
縦が1メートル、
横が1メートル50センチ
くらいでしょうか。

商店街事務所に入ると
嫌でも目に入ってきます。


商店街全体を見下ろすことができる
ビルの屋上から撮ったその写真は
セピア色に変わっていました。

近づいてよく見ると

来街者が物凄い数映っていました。
まっすぐ歩けないくらい
通行人がひしめき合っていました。

さらにじっくり見ると

多くの人は紙袋などを手にしており
買い物を楽しんだことがうかがえます。


商店街振興組合の方々は
口々に

「昔はすごかった」

「あの頃の活気が欲しいよね」

「商売が面白くてしょうがなかった」

「銀行の横にあった
和菓子屋の〇〇さんが面白い人で…」

などとおっしゃっていました。

ちなみに昔を懐かしんでいた方は
皆、70代、80代、90代の先輩方。


その頃は各家庭にモノが行き届いてなく

家具や家電、洋服など
生活に必要なものが
飛ぶように売れたようです。


ちなみに…

僕が就職した総合スーパーは
祖業が布団屋さんでした。
創業者は、リヤカーを引いて
布団を売り歩いていたそうです。

若い人は想像がつかないかも知れませんが、
そんな時代もあったのよね。


でも現実の商店街は

人が歩いておらず

ほとんどの店舗は
シャッターが降りており、

そのシャッターも暴走族が
ペイントしており印象が良くなく、

近隣は高齢化、空き家
となっていました


さて、さて…

僕は学生時代から勉強ができず
偏差値の低空飛行を続けてきたのに

学生時代の出来事・会話等を
一部ではありますが、
克明に覚えています。


誰と誰がいて、

季節はいつくらいで
何時頃
どこで

など状況も覚えている
こともあります。


僕は今年57歳なので

【人生の残り時間<今まで過ごしてきた時間】
となっています。

これは抗(あらが)いようがない!!!


脳の仕組みはよくわかりませんが、
歳を重ね、
ますます過去の記憶が鮮明に
思い出させるのかも知れません。

※亡くなった父もそうでした。
父は幼少期のことを克明に覚えており、
また経営者として華やかだった頃のことも
克明に覚えていました


輝いていた過去を思い出す度に

その事実が自分の中で
捻じ曲げられ
美しく解釈替えされ、

つど強化され、

自分の時々の感情と紐づく。

そのプロセスを何度も何度も重ねて

今の自分の記憶が出来上がっている
のかも知れません。


上記の商店街振興組合の先輩方も
失礼ながら

【昔が輝きすぎてその輝きが今でも増している】
ように感じてしまいました。

しかし現状の商店街を見ると

セピア色の写真を見て
昔を懐かしむ状態ではない!!!

のだけど…


自分が若く
輝かしい日々はもう戻ってこない

のは現実です。

時に昔を懐かしむのは良いけれど、

『現状から目を逸らさずに
前を向いて進む』

しかないのだろうと思います。

自戒を込めて…

P.S.

「昔が輝きすぎて、
経営者の脳内でその輝きが今でも増している」

ので事業承継が進まないのかも知れない…

そんなことを感じてしまう今日この頃…

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