最期の日を想像しておく
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散髪に行きました。
チョキチョキと
はさみを入れてもらうと
バサバサと髪が
ケープ(マントみたいなやつ)に
落ちていきます。
その髪を見ると
随分白いものが交じってきた
ことに気づきます。
そうなのです。
白髪が増えたのです。
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先月誕生日を迎え
僕は57歳になりました。
気持ち的には
小2のガキの頃のままですが、
着実に歳を重ねています。
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57歳といえば
兄が亡くなった歳です。
兄は全身癌で亡くなりました。
その前年、
母が全身癌で亡くなっています。
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母が亡くなった時、
兄はまだ自分が癌であることを
知りませんでした。
その時は
母が痩せ細り
力がなくなっていくのを
僕たち兄弟は見ています。
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前述の通り
母が亡くなった1年後、
兄は全身癌になっていることを
実家近くのクリニックで知りました。
(すでに手の施しようがなかったようです)
その後、兄は入院しました。
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入院した先で
兄はお医者さんに
「痛くて苦しいのは嫌です。
積極的な治療はしないで下さい。
でも痛み止めは欲しいです」
とキッパリ言いました。
その時、姉と僕は
横にいたのですが、
特に取り乱すことなく、
感情的になるでもなく
いつもの兄らしい言葉の選び方
だったのを覚えています。
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兄は亡くなる数十日前
病院のベットの上で僕に
「わしは死ぬのは怖くない」
とか
「今のうちに何かわしに
聞いておくことはない?」
と言ってきました。
僕は少しだけ
聞きたいことを聞いて
あとは「特にない」
と答えたような気がします。
兄と過ごした
あの日のあの時間は
何か特別なものだったような
気がします。
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【覚悟を持てた人間は強い】
と思います。
兄は
「どうして死ぬのが怖くない」
と言えるのだろう…
と僕は思っていましたが、
今は何となく
分かる気もします。
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兄に覚悟を付与した
「何か目に見えないもの」
があったのではないかと
想像しています。
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さて、さて…
大きなお世話かも知れませんが、
ある程度の年齢の経営者であれば
(というか人は全て)
今後(最期)を想像し、
覚悟を決めなければ
ならない時が来るように思います。
それまでに準備をしておくことが
必要かも知れません。
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経営者の場合、
会社(事業)があるので
普通の人より
考えておくことは多いかも知れません。
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まずは自社の「負」を取り除く
ことが必要と思います。
現経営者でしかできないこと
それは、
・株主構成についてよ~く考える
・値引きばかり要請してくる
昔からの取引先との関係を見直す
・金融機関などに
後継者を紹介しておく
・滞留している不稼働在庫を処理する
・固定化している売掛金を処理する
・役員借入金を処理する
・貸付金を処理する
・長い年月で怠惰な付き合いに
なってしまった税理士さんや
従業員さんがいらっしゃれば
付き合いを見直す
などです。
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あとは後継者が経営者になるための
道筋の準備。
なかなかに難しいことだと思います
時間をかけないと
整わないのかも知れません
けれども…
P.S.
突然亡くなった僕の父は
わからないのですが、
母や兄の自分の死に向き合う
覚悟は立派だったと
心の底から思います。