カタチのないものの売り方を整骨院で学ぶ

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去年の夏辺りから
左側の肩や上腕が痛く

左手が真っすぐ上に
上げられないでいます。

マッサージや整体に通い
一時良くなるものの、

数日後にはまた痛くなる…

その繰り返し。

５０代半ばとなり
俗に「五十肩」と呼ばれるもの
になったのかも知れませんね。

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そこで去年の１２月、

今まで行ったことのない
整骨院に行ってみました。

予約などせず、いきなり
店に飛び込んだのですが
気づきの宝庫でした。

中でも印象に残ったのは
「保険適用外サービスの
売り方がうまい」
ことです。

「この売り方、勉強になるな～」
と思ったので
以下より記していきます。

※
なお、この整骨院の売り方
について、
僕はあくどい売り方と
思っている訳ではありません。

患者の心理をついた
うまい売り方なので
カタチの見えないサービスを
売る時の参考にして
頂けたらと思います。

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（１）
雑談で患者の仕事・生活
などを探る

院長は
「昔自分は柔道をやっていて…」

「こう見えて大学の全国大会では○位です」
などと自己開示しながら

「当院に勤めている人は皆
国家資格である柔道整復師なんですよ」
と患者に伝えます。

それで権威性を示します。

それと同時に
僕の生活や仕事について
聞いてきます。

（２）
ビフォー・アフターを
患者に目視させる

患者は縦横８０㎝
高さは２００cmくらいの
狭い空間に入れられ、
小さい前ならえ
をさせられます。

そしてその姿をタブレットで
写真に撮られます。

数分後、
プリントアウトされた
写真を持って
院長が僕の元にやってきます。

写っている僕は、見事に、
猫背＆ストレートネック
＆巻き肩でした。

その姿に愕然としました。

院長は
「これを放っておくと
もっとお尻が後ろに出て
それをかばうように猫背になり…」

と危機感を煽ります。

（本当のことだからしょうがないけど）

そして
「本来であればお尻は
これくらいの角度が
望ましくて…」

等と言いながら
プリントアウトした写真に
マジックで
理想の姿勢を書き始めました。

（３）
なりたい自分の姿勢
（ゴール）を聞き出す

まずはざっくりと
オープンクエッションで
「将来的には
どのようになりたいですか？」
と質問されます。

僕はそのようなことを
考えたこともなかったので
「そうですね～～～」
と言い淀んでいると、

今度は
クローズドクエッションで

「痛みが取れればいいのか、

姿勢が矯正出来ればいいのか、

インナーマッスルを鍛えて
良い姿勢を保てるように
なれば良いのか

どれでしょうね？」

と聞かれました。

基本的にはコーチングの要領で
質問をされるのですが、僕は

「結局のところ誘導じゃないか」
と若干感じました。

しかしその誘導に乗って
回答してみました。

（４）
（自分が設定した）
ゴールへ向かおうとする
患者の気持ちが高まったのを
見計らって、
フロントエンド商品と
バックエンド商品の説明に移る

整骨院には
保険適用のサービスと
保険適用外のサービスが
ありますが

それらの概要を
A4のコピー用紙に
黒のボールペンで書きながら
説明してもらいました。

僕は

院長は説明することに
慣れているがゆえ、
少し早くてわかりづらい…

などと思いながら
説明を聞きました。

（５）
患者が安心すると思しき言葉を
はしばしに挟む

「しっかりやりましょう」

「この状態だと大丈夫です」

「根本から変えましょう」

など
落ち着いて考えれば
「それはどういう意味？」
と思ってしまうワードを
時折ですが投げかけてきます。

「感覚的な言葉の定義を
合わせることは
非常に難しいな～」

などと思いながら
院長の説明を聞いていました。

（６）
背骨が曲がった模型と
そうでない模型を見せながら
危機感を煽りつつ
カードで支払いさせようとする

院長は模型を持ち

「分析の結果、
澁川さんの場合…
３２回コースが良いです」

「放っておくと骨と骨の間の
軟骨が…（中略）
手術になる可能性だってあります」

と何か科学的根拠がありそうな
言いぶりで説明され、
治療費のカード払いを促してくる。

その場で
支払いを済まさせようと
考えていることが
ビシバシ伝わってきます。

「キャンペーン中なので」
という言葉も忘れません。

僕は「分析」という言葉が
少し気になりました。

「何の分析をしたのだろう？」
と…

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改めて

僕はこの売り方が
特に酷いとは思っていません。

「売り込まれているな～」

でも
「一応、こちらに選択権を
持たせてくれているな～」

などと感じさせてくれる
絶妙なセールスでした。

それゆえ院長は
相当ロープレをしているのでは…
と感じました。

またマスクに隠れた表情が
自信に満ちているように
思われました。

（僕には到底できない）

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さて、さて、

数回通院して感じたことです。

実際のところ、この整骨院は
非常に良いです。

売り方もですが、
整骨院としての体（筋肉）の知識も
相当勉強されていることが
うかがえます。

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しかし…
何してても勉強になりますね。

整体院の売り方でこんなに
勉強になるとは…

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売り方って
自分の性格に合ったものじゃないと
続かないと思っています。

僕はこの院長のように
サービスを売ることはできない
と思います。

しかし無理のない範囲で
改めるべきところを
改めたいと思いました。